解決事例 監護権の変更
別居中(離婚前)の夫婦が裁判所の調停により監護権者を母親と定め、母親が子供(10歳・5歳)を養育監護していたが、母親からの子供の返還要求を排除し、父親の監護権を認めることに成功した事例
子の引き渡し・保全処分 監護権者変更
ご相談者様
40代男性
事件の概要
当事者は婚姻して約10年の夫婦であったが、母親が子供2名を連れて別居状態となり、その後、子供2名の監護権者を母親と定め父親との面会交流を月1回程度とするという調停が成立した(父親側は弁護士を立てなかった)。
その後、父親と子供の面会交流時に、子供が別居後の母親の元での生活について不満等を父親に相談したため、父親が子供2名を母親に返還しなかったところ、母親から子供の引き渡しや監護権者を母親と定める保全処分・審判の申立を受けた。
解決への道筋
本件は、裁判所の調停で一旦、母親の監護権を認めながら、父親が面会交流後に子供を返還していない事案であり、父親から見て、かなり不利な情勢を思われる事案であった。
しかしながら、父親が子供を返還しない理由につき、子供が父親に語った別居後の生活に対する不満が子の福祉からして看過できないものであることを丁寧に主張・立証することで、家庭裁判所の調査官による子供との面接も実施され、父親に監護養育を認めさせることに成功した。
弁護士活動のポイント
一旦取り決めた裁判所の調停に反し、面会交流をきっかけに子供を返していないことにつき、当初は、裁判所の印象が悪いものでしたが、当方の事情を丁寧に主張・立証することで、最終的には、100%勝訴と言っていい良い結果を得ることができました。
親権や監護に関する紛争は、やはり「子の福祉」が一番に優先される事柄であり、子供の立場に立って、主張・立証を組み立てていくことが大事であることを再認識しました。