解決事例 離婚
離婚後に自己破産を申し立ててご依頼者の生活状況を改善させた事例
離婚 借金 自己破産
ご相談者様
30代女性
事件の概要
ご依頼者はご主人(相手方)との間に幼い子供2人がいる専業主婦でしたが、相手方は収入が不安定で相手方の収入だけでは生活費をまかなえませんでした。しかも相手方は、日常的にご依頼者に対して威圧的な態度をとっていて、ご依頼者が生活費の不足を相手方に訴えても逆切れして怒鳴るばかりでした。
ご依頼者は幼い子供二人を抱えて働きに出ることもできず、結局、ご依頼者が自己名義で借入れをして生活費を補いましたが、借金がどんどん膨らんで、返せないほどになってしまいました。ご依頼者は、相手方の威圧的な態度ばかりか、借金返済の督促にもおびえる生活に疲れ切って、離婚を決意し子供2人を連れて家を出ました。
解決への道筋
ご依頼者は当事務所に来所された時点で適応障害を発症され、長期治療が必要な状態でした。
適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします(厚生労働省が開設しているウェブサイト「みんなのメンタルヘルス」の記述に基づく。)。
そこで弁護士は次のような方針を立てました。
①「破産手続を申し立てる旨の通知」(介入通知といいます)を直ちに債権者に送付し、借金返済の督促を止める一方で、
②ご依頼者の希望どおり、子供二人の親権を獲得しつつ離婚ができるように、ご依頼者に代わって相手方と交渉することにしました(ご依頼者の症状からすると、裁判による離婚のために打合せをしたり資料を準備したりすることは難しそうでした。)。
相手方も親権を希望したため交渉は難航しましたが、粘り強く交渉した結果、ご依頼者が子供二人の親権を持つ協議離婚が成立しました。
その後弁護士は「法テラス」を利用してご依頼者の自己破産を申し立て、免責(「借金を返さなくてよい」という裁判所の決定)を得ました。
なお、ご依頼者は、生活保護費を受給していましたので、破産申立費用や破産手続に関する弁護士費用は免除され、払わなくてすみました。
弁護士活動のポイント
多額の借金が離婚のきっかけや原因になるケースはとても多いのですが、生活の再建のためには離婚+自己破産・免責という法的手段の選択が有効です。
但し、真の生活の再建には健康な心身が必要ですから、夫婦関係や借金苦のストレスで心身を損なう前に、少しでも早く弁護士に相談されることをお勧めします。