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交通事故

交通事故の被害者となられた方も、加害者となられた方も、ある日突然に当事者となられ、しかも初めての経験ということで、戸惑いや不安をたくさん抱えていらっしゃることと思います。 
今後の見通し等を弁護士に相談してみるのも方法です。


 

弁護士に依頼することで、相手方と交渉等をする場合に生じる精神的負担が軽減されることが挙げられます。
また,被害者になられた方は、相手方あるいは保険会社から支払われる金額が増額されることが期待できます。
加害者になられた方は、相手方から過剰な請求があった場合にも、交渉等により、お支払い金額を合理的な適正額の範囲内とすることが期待できます。 

大きく分けると、民事上刑事上行政上3つの責任を負うことが考えられます。
 
①民事上の責任
不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)自動車損害賠償責任(自動車損害賠償保障法3条)があります。
あなたが相手方に対して負う損害賠償責任としては、相手方の人身損害(治療費、通院交通費、入通院慰謝料、休業損害、逸失利益、後遺障害慰謝料等があります。)のほか、相手方の物的損害(車両の修繕費等)があります。
 
②刑事上の責任
自動車運転中の過失によって、人を怪我させたり死亡させたりした場合は、刑法211条2項に規定がある自動車運転過失致死傷罪が成立するとして、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります(相手方の傷害が軽いときは、刑が免除される可能性があります。)。 
警察署や検察庁が手続を行います。
刑事上の責任についても弁護士にご相談いただけます。
 
③行政上の責任
運転免許の取消し・停止といった行政処分が行われる可能性があります。
公安委員会が手続を行います。

 
従業員が業務中に社用車で事故を起こした場合、会社は、運行供用者としての自動車損害賠償責任(自動車損害賠償保障法3条)・使用者責任(民法715条)を負うことが考えられます。 
 
業務時間外の事故であっても、業務との関連や自動車がどのように管理されていたか等により、会社が責任を負うこともあります。
 
なお、会社が使用者責任に基づいて相手方に賠償をした後、会社から従業員に求償できる場合もありますが(民法715条第3項)、求償の可否や程度については、ケースバイケースで異なるところですので、弁護士にご相談ください。  

給与所得者は、事故前の収入を基礎として、怪我によって休業したことにより現実に収入が減った分について、休業損害として賠償請求することができます。 
現実に収入が減っていなくても、有給休暇を使用した場合は、休業損害と認められる場合があります。
専業主婦が行う家事労働も財産的評価が可能ですから、交通事故による怪我のため家事を行うことができなかった期間について、休業損害を請求することが可能です。
その場合、賃金センサスの女性労働者全年齢平均の賃金額を基礎として、怪我のため家事労働ができなかった期間について、認められるのが原則です。
学生も、アルバイト収入があれば、その収入を基礎として休業損害が認められます。 

後遺障害とは、一般的には、これ以上治療を継続しても症状の改善が望めない状態(この状態を「症状固定」といいます。)になったときに残存する障害のことをいいます。
「後遺障害等級認定」は、損害保険料率算出機構等の組織が、交通事故の当事者等から提出された、交通事故の態様や後遺障害についての資料をもとに、「後遺障害別等級表」(自動車損害賠償保障法施行令2条。1級から14級まであります。)の、どの等級に該当するか、あるいは、いずれの等級にも該当しないか(非該当)を、認定する制度です。
 
例えば、いわゆる「むちうち症」は、12級あるいは14級と認定されるか、等級に該当しないと認定される場合が一般的です。
 
一般的に、任意保険会社による手続か、あるいは、自賠責保険会社に対する被害者からの請求手続(自動車損害賠償保障法16条1項)によって、損害保険料率算出機構等が「後遺障害等級認定」手続に入ります。
 
なお、自賠責保険会社に対する請求の手続は、被害者の方の代わりに弁護士が行うことも可能ですので、ご相談下さい。
 
損害保険料率算出機構等の等級認定結果に不服がある場合は、損害保険会社等に対し異議を申立てることができるほか、自賠責保険・共済紛争処理機構に対して、紛争処理(調停)の申請を行うことができます。
 
また、裁判所に対して裁判(訴訟)を提起して判断してもらうという方法もあります。
いずれの場合も、弁護士にご相談下さい。 

被害者が交通事故による後遺障害のため以前のようには働けなくなってしまった場合の、「仮に、被害者が後遺障害を負わなかったとすれば、将来どれだけの利益が得られたか」、という将来得べかりし利益のことを、逸失利益といいます。 
 
 
計算式は、①基礎収入額×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数(中間利息控除)です。
 
例えば、症状固定時の年齢が50歳で年収500万円の男性サラリーマンが、交通事故により8級相当の後遺症(例:脊柱に運動障害が残った)を負い、労働能力が45%低下した場合は、
 
500万円(①)×0.45(② 8級に対応する労働能力喪失率)×11.2741(③ 50歳から67歳までの就労可能年数17年間に対応するライプニッツ係数)
 
=2536万6725円となります。
 
 
 
以下、①から③について、簡単にご説明します。
 
①基礎収入額
 
もし交通事故に遭わなければ将来得られたであろう収入をいい、原則として、事故前の収入を基礎として算出されます。
 
ただし、若年労働者(事故時概ね30歳未満)の場合には、全年齢平均の賃金センサスを用いるのが原則です。
 
また、専業主婦の場合、休業損害の場合と同様に、賃金センサスの女性労働者全年齢平均の賃金額を基礎とするのが原則です。
 
②労働能力喪失率
 
被害者に後遺障害が生じたことによって、労働能力が、どの程度失われたかを示すものです。
 
「後遺障害別等級表・労働能力喪失率」という表に、後遺障害の等級ごとに、該当する労働能力喪失率が記載されており(例えば、1級の労働能力喪失率は100分の100、14級の労働能力喪失率は100分の5です。)、これをベースに、事故前後の被害者の状況等が考慮されて定まるのが一般的です。
 
③労働能力喪失期間
 
本来、後遺障害は、その後も治る見込みがない状態をいいますから、労働能力喪失期間は、原則として、症状固定時から67歳までの年数です。
 
しかし、例えば、むちうち症といった比較的軽微な神経症状の場合は、12級で5~10年程度、14級で5年程度に制限される例が多くみられます。
 
被害者が死亡してしまった場合の逸失利益(死亡逸失利益)については、将来かかったであろう生活費がかからなくなったことが考慮され、生活費分が控除されます。
 
逸失利益の算定については、特に、②労働能力喪失率や③労働能力喪失期間をどのように算定するかが、交渉等で争点となりやすく、また、金額面の差が生まれやすいところですので、弁護士にご相談ください。 

例えば、裁判(訴訟)において賠償金を請求した場合は、裁判所が証拠によって認定した賠償額(認容額)から弁護士費用を除いた額の10%前後が、相手方が負担すべき弁護士費用として認定されるケースが多くみられます。
 
これに対して、裁判ではなく、和解(裁判上の和解を含みます。)や調停で解決に至った場合は、相手方に弁護士費用を負担してもらうことは難しい傾向にあります。
 
なお、ご本人あるいはご家族が契約している損害保険契約において、いわゆる「弁護士特約」が設けられている場合は、保険金で弁護士費用をまかなえる可能性が高いですので、弁護士に相談する前に、確認することをお薦めします。 

事故態様や現場の状況等によって当事者の過失割合が異なってきますが、ある程度一般化された基準があり、それをベースに相手方との交渉等を行うことができますので、弁護士にご相談下さい。
 
過失割合を左右する事故態様や現場の状況等について、相手方の認識が大きく異なっている場合は、交渉での解決が難しく、裁判(訴訟)で解決することになろうかと思われます。この場合も弁護士にご相談ください。 

不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)の時効期間は、「損害及び加害者を知った時」から3年(民法724条前段)です。
 
現在の実務では、交通事故により後遺障害が生じた場合に、人身損害についての損害賠償請求権の時効は、事故発生時ではなく症状固時が時効の起算点となるとの判断をする裁判例もありますが、事故発生時を起算点とした時効管理を行っておくことをお薦めします。
 
自動車損害賠償責任保険における被害者請求権(自動車損害賠償保障法16条1項)の時効期間は3年です(自動車損害賠償保障法19条)。ただし、平成22年3月31日以前に発生した事故については、時効期間は2年です。
 
なお、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)とは別に時効が進行しますので、注意が必要です。
 
時効の管理につきましても、弁護士にご相談下さい。
 

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