「ブラック企業」という造語が流行りはじめて早や数年が経ちます。
そのように呼ばれる企業は,残業代を支払わない,セクハラ・パワハラによる不当解雇が行われているなど,労働問題が日常的に発生しているようなイメージを受け,人材確保が困難となることはもちろんのこと,取引停止を求められることもあり,事業自体に支障を来す結果となることもあります。
もし,実際に,残業代の未払い,セクハラ・パワハラによる不当解雇などが行われているのであれば,労働者は未払い残業代を使用者である企業に請求すべきであり,セクハラ等を原因とする解雇についてはそれが無効であると主張すべきです。
そのような場合,弁護士は,労働者から依頼を受ければ,タイムカード等の証拠の保全,未払残業代の計算,地位確認請求や慰謝料請求等を行い,労働者の権利を保護します。
逆に,労働者の一部には,勤務態度が不良であったために解雇されたにもかかわらず,会社側にパワハラ等があったと主張して,解雇無効や慰謝料請求を強行する方がいることも否定できません。そのような場合,弁護士は,企業側から依頼を受ければ,労働者の社内用PC内のデータなど勤務態度の不良を示す証拠の有無を検討し,解雇の正当性を主張立証し,企業側の利益を保護します。
このような労働事件については,近年,訴訟ではなく,労働審判による解決が図られることが多くなっています。
労働審判は,労働紛争を早期に解決することが目的であり,訴訟のような厳密な証拠調べなどは予定されておらず,短期間のうちに主張立証を行うことが求められます。
例えば,企業側は,労働者側から労働審判の申し立てを受けた場合,企業側の主張と証拠提出を概ね3週間以内には提出しなければならず,4週間後には一回目の審判期日に出頭しなくてはなりません。
通常訴訟とは異なり,かなりのスピードが求められる手続ですが,かといって一回目の審判期日で審判の大勢が決する可能性があり,十分な準備も求められます。
したがって,労働審判事件は,企業側から依頼を受ける法律事務所から見ると,「急を要するご依頼」となります。
当事務所は,このような労働審判事件の経験を有する弁護士が複数おり,このような依頼も対応可能です。